2019年10月例会『ガンジスに還る』ひとくち感想
2019年11月05日 公開
北九州映画サークルでは例会鑑賞後、会員(当日観に来られた一般の方も含む)からの評価・感想を毎回募集しています。
①大変よかった
②よかった
③ふつう
④あまりよくなかった
⑤その他
○評価未記入
の評価とともに、「ひとくち感想」と題して、映画を観た方々が思いに思いに綴った感想を一部ご紹介いたします。
① 父の“ヒンドゥー的終活”に振り回される息子家族、出家したにも拘らず、我儘で俗っぽい父への対応に苦慮する従順な息子という、往年の松竹映画のようなユーモア。終盤、解脱を得る覚悟を決めた父が息子に別れを告げるシーンは正に小津調、『東京物語』の笠智衆と原節子の別れのような「もののあはれ」が画面に満ち、何度観てもこの辺りから涙が止まらなくなる。本人の望み通りの最期を喜ぶことが、家族にとっても慰めなのだろう。
① 宗教観が違うので、正確に理解できたか?どうかわからないけど…。ああいう死のむかえ方も有りだと思わせる作品だったと思います。若い時に観たらもっと違う観方があったのかも知れないけど、死は突然訪れるものだし、もし出来ることなら?あの孫娘の様に笑っておくって欲しいと心から思いました。
① 息子は父親の最後を看取ってやれなかったけれど、バラナシで過ごした時間は息子の心を解放させた。亡くなった父の部屋で家族3人が揃う場面をそれぞれの思いを考えながら観た。印象深いシーン。死期を悟るってそんな事あるんだろうか?あるんだろうな、きっと。
① 納得いかぬ事が転がるこの世の生について、作品は最後まで肯定していた。少し離れた視点は、控え目で上品なユーモアを人々の行動・会話の中に挟み込み、不思議なのどかさを感じさせた。「生まれかわり」の言葉に身分制ものぞいたが、彼等は勿論、ガンジス川岸辺の情景は生命賛歌だった。こんな自分も明るく許されてある様な救いの声を聞いた。俳優の演技、音楽も秀逸な中、監督の年齢に驚く。事前学習会でインド社会の混沌も学べた。
② 今月は感想を書くのが難しい。“死”のとらえ方など随分日本とは違うような気がする。自分はどんなふうに死にたいか考えさせられた。でも今日の映画は「親子の関係」を描いていたのかな。